西烔子『姉の結婚』一 ①

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――あなたはほどほどの愛しか知らない。

作中で男は語ります。「あなたを死ぬほど愛した男はいない」と。しかし、現実の世界で一体何人の人が「ほどほど」ではない愛を知っているのでしょうか。

 

 

2015年2月。榮倉奈々と豊川悦司主演で上映された映画『娚の一生』。『姉の結婚』は、その原作者である西先生の作品です。

こちらも完結済みの漫画で、『娚の一生』同様、いわゆる崖っぷち独身女性が主人公のお話です。しかし、こちらの『姉の結婚』の方が、何倍も関係が複雑で、何倍も主人公がこじれているという意味でパワーアップしています(笑)。

主人公の岩谷ヨリは四十歳手前にして、「恋愛も結婚ももういい」と東京から故郷へと帰ってきた女性。故郷でプチ老後を過そうとしているヨリの前に現れた、強引でイケメンな真木誠という男性との間で繰り広げられる恋愛物語……!

ここまでは何とも羨ましい少女マンガちっくな展開ですが、もちろんそれで終わるはずがないのがこの作品。オトナでややこしい関係性が始まるのですが……、四十手前の男女が織りなす恋愛の不器用さに、なんだか考えさせられる漫画です。

 

さて、少しずつ第一巻の感想にはいっていきましょう!

 

Piece.1 「女をやめる時」

第一話目のタイトルからやばさがにじみ出ていますが、最初に出て来る主人公もなかなか地味にすごい。「中崎」という地方で図書館司書をしているヨリ。同僚や上司から「負け犬」と噂されているのを聞いても、「〝負け犬〟なんて言ってもらってるうちはまだ花だっつの」と思いながら、老眼鏡を手に本を読んでいます。

ヨリの悟りの境地がうかがえます。見た目は比較的若く描かれていても、老眼鏡の衝撃力はなかなか大きかったです。主人公、老眼鏡かけてるんだぁ。。。

 

そんなヨリの一人暮らしのマンションには、彼氏に二股されてキレて大阪から帰って来た十歳以上年下の妹、ルイが転がり込んできます。ヨリとは正反対の可愛らしくワガママな妹。そして、そんなヨリの勤務先の図書館に通っているらしき、メガネの怪しげな男性が出てきます。

おそらくこの三人が、物語の中心で動いて行くのでしょうね。

 

さっそく、物語は男性が仕組んだ罠によって動き始めます。

 

男性が図書館の蔵書と同じ本を持ち込み、わざとヨリの近くでそれを手に取り、あたかも貸し出しの手続きをせずに持ち帰ろうとする人物を装います。ヨリが男に「借りる手続きをお願いします」と話しかけると、男はわざと狼狽し、騒ぎを大きくして皆の前で言うのです。

「私の本です。」

 

男――真木誠にカフェまで連れ出されたヨリは、男を大勢の前で泥棒よばわりしてしまったことについて謝罪します。金銭での解決が必要かどうかを尋ねるヨリに、真木が質問で返します。

 

「今日は排卵期ですか?」

 

次のコマでは、二人は裸でベッドのなか。おはようございますの展開です。アダルティな朝を迎えているにもかかわらず、「……ま、これでチャラなら」と考えているヨリに、私の方が「チャラちゃうがな!」と突っ込んでしまいました。

ホテルの部屋を出ようとするヨリに、真木はマイペースに自分の正体を明かします。どうやらヨリと真木は中学時代の同級生。そして真木はモジャ毛で太っちょで生白いいじめられっ子だったようです。

 

モジャ毛、太っちょ、生白いが二十年も経過すれば、超絶イケメンの医者に生まれ変わるそうです。

 

その事実に最終コマでヨリならず、私も目が点になりました。

 

四十手前、貞操観念も特に高くなく、「女をやめる」一歩手前にいた主人公。そんな彼女に体の関係を迫ってきた、ちょっと意味不明な雰囲気のイケメン医師。これは二人の今後の関係がとっても気になります……!また次回、二話目以降の感想を書きたいと思います!

 

それはそうと気になったのは、二人が入ったホテル名。

「海ぶどう」はないでしょ!!(笑)

 

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