諫山創『進撃の巨人』15 ⑨

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15巻最終話の62話「罪」

 

この副題にある「罪」とは一体誰の罪なのでしょうか。

クーデターによるフリッツ王による統治の崩壊後、すぐに兵団幹部によって、民衆にその事実が伝えられます。兵団が選択したのは、エルヴィンが考えていたとおり、真の王家にその統治を委ねるというもの。

 

しかし、記者が言うように、民衆は簡単には納得できていない様子。むしろ。その混乱の中で一体何を信じればいいのかわからない状況になっているとのこと。

たしかに、王政府がいかに陳腐であったとしても、その統治は円満にいっており、求心力もあった。その代わりに、はたして真の王がなれるのか。

 

場面は変わって、馬車の中で話すエルヴィンとザックレー総統。何を考えているのかよくわからないおっさんでしたが、ここに来て、とんでもなく腹黒なことが判明。王政府の腐りきった状況にいち早く気づき、いっぱつぶっぱなすために、何十年も臥薪嘗胆の末、得た総統の地位だった様子。

 

笑うザックレーに対し、エルヴィンは暗い顔のまま。彼が選んだ結末は、はたして人類を救う選択だったのかという疑念があるようです。100年もの間、安寧を守り続けて来た技術が、フリッツ王にはある。それを瓦解させた今、人類は安寧の中にはいられなくなった。もしかすると、壁の中の人類の半分を見捨てることとなっても、王政府を存続させた方が、結果として助かる命は多かったのではないか、と。

 

だからこそ、自分は本来ならばリヴァイやハンジを裏切って、王政府に全てを委ねるべきだったと言います。

命の数を天秤にかけることの得意なエルヴィン。ここまでわかっていながら、ここにきてなぜ、それをしなかったのか。

 

その真意が、ザックレーによって暴露されるのです。

 

仲間を死なせることがいやになったわけではなく、単に自分の命可愛さによるものだ、と。「人類」のために今までバンバン仲間を殺してきたエルヴィンに、まさかの事実。

 

その理由を聞かれて、「私には夢があります」と答えるエルヴィン。

 

彼が「人類」よりも、仲間よりも優先させる「夢」とは何か。

 

死んだ方が楽、とザックレーに言われるエルヴィンの人生。彼の幸せとはなんなのか。いまだに考えてもわからない。そして、ちょっとだけでいいから、リヴァイやハンジを裏切ることのためらいも感じていてほしいという身勝手な思いを抱きました。

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