諌山創『進撃の巨人』13 ⑩

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さてさて前回の続き。
リヴァイ班にとらえられたリーブス商会。会長とリヴァイ兵長の交渉が、トロスト区の壁の上で行われます。

このおじさん二人のシーンは結構渋くて好き。

リヴァイのちょっと斜め上をいく交渉力と、会長の人となりがでていましたよね。

敵を味方につける交渉、というとやはり営利目的な条件交換の取引、となるかと予想しますが、ここでリヴァイが訴えたのはおそらく会長の人となり。彼は破綻寸前のトロスト区で残って街の人々の生活をつなぎとめている商会の動きをしっかり把握していたんですね。後々、その会長の人となりをエルヴィンが述べるシーンがありますが、調査兵団の幹部たちは皆一様に、リーブス会長の心意気を評価していたんでしょうね。だからこそ、彼の会長の人となりに話しかけ、究極の二択を迫るリヴァイ。

王政についても、調査兵団についても、どちらも死ぬ、という未来。座して破綻を受け入れるか、戦って抗うか。

勝算をとくのではなく、「正解なんてわかりゃしねえよ」と選択を迫るリヴァイ兵長のやり方は、最初読んだときは彼のキャラがつかめていなくて、「ん?」と難しく思いましたが、読み直してみると、彼の独特のひねくれ倒した実直さが表れているようなやり方はだと思いました。

これはエルヴィンにもハンジにもできない交渉ですね。

さて、そんなこんなでリヴァイと手を組むことにしたリーブス会長の協力により、エレンをさらうことを支持していた中央憲兵の一味を捉えることに成功したリヴァイたち。

最後のコマ。とらえた中央憲兵を拷問にかけようと身支度するリヴァイとハンジ!

主役側が拷問するなんて誰が想像したでしょうか……。
今回のお話は13巻の最終話ということで、やはりとても気になる展開で終わりましたね。

『進撃の巨人』では、正義も悪も曖昧な、何が正しいのか、答えなのかがわからないところが魅力のひとつですが、ここでさらにそのグレーな部分がきわどく表現されてきましたね。

13巻から始まった「王政編」が、あまり人気がないのは、巨人が出てこないというだけではなく、その政治性や主役たちの危うい思想や行動も影響しているのではないかと思います。

次巻からはその危うさがもろに出てきます。ちょっと辛い展開になってきますが、なんとか頑張って感想書いていきたいですね。

 

 

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