諌山創『進撃の巨人』12 ④

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前回の続き。

ミカサの壮絶な覚悟は、このときにかなりはっきり強固になりましたね。今後の戦いでもぶれないミカサの覚悟が、ここで結晶化したようです。このミカサの覚悟を見て、もうひとり戦う覚悟を決めたのが、アルミン。何度も戸惑うような顔でミカサを見ていたシーンがありましたが、徐々にそれは決心したような表情になっているのもすごい。今回のお話ではアルミンがその覚悟のもとに動くシーンはありませんでしたが、彼が彼なりの覚悟のとりかたで今後動いていくのは、このあとのお話で何度もありますね。彼の覚悟は、ミカサによって覚醒され、その在り方はエルヴィンと同様の「何かを変えることができる人間は何かを捨てることができる」という覚悟の形を為していきます。でも、2017年3月号でもあるように、彼の「捨てる」ものはいつも自分のものですよね。それが彼の優しさから来るものなのが素晴らしいけれども、エルヴィンは自分自身どころか、他人のものも捨てさせる「悪魔」。それにはやはりなれないのがアルミン。変革には「悪魔」が必要なのは分かるけど、アニメ第一期の最終回でジャンが言っていたように、そんなことをしてでも勝って、「それは本当に人類の勝利なのか」という疑問は常にありますね。きっとエルヴィンなら、その批判すらも一身にうけて前に進むのでしょうけど。

 

 さて、話は戻ってもう一人、覚悟を決めた人物。それはヒストリアだと思います。弱々しく守られるような存在だった彼女が、ここにきてさらに成長。巨人化したユミルに食われてさらわれ、自分を助けるためにライナーたちの「故郷」へ来てくれ、と助けを求めるユミルに対して「私は何があってもあなたの味方」と力強く笑う表情は、まさに覚悟を決めたもののように見えました。誰かのために死ぬことで承認欲求を満たそうとしていたヒストリアが、褒められるためではなく、自分が大事に思う人のために生きようとする覚悟のように思えます。同じように自分以外の者のために、という選択ですが、その根本にある心は、本当にユミルのため。この二人、本当に本当に『進撃の巨人』のなかで一番の相思相愛カップルだと思う。

 

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