諌山創『進撃の巨人』10 ⑨

201304130021

 さて、前回、ライナーとベルトルトからまさかまさかの衝撃的告白をされ、壁外への同行を誘われたエレン。

 

 

エレンは悩むふりをしながらも、回想。どうやらライナーとベルトルトが怪しい、ということはハンジが早々につかんでいた様子。アニへの疑惑が持ち上がったときから、104期の身辺調査を行なった結果、アニと同郷とされている人間が浮かび上がり、それがこの二名であったと。

 

 アルミンやミカサ、エレンたちには驚きの様子。彼ら二人とアニが仲良くしている様子はなかったから。ますます怪しいとにらんだハンジが、彼らを地下深く誘導する必要性を指示し、彼らに悟られないように計画を進めるように命令していました。

 

 その命令を思いだし、頭一杯一杯になっているエレンは、ここで答えるのを良しとせず、「疲れてるんだろ」とライナーの話を勘違いだとして、一蹴しようとします。

 

 そこで、ライナーが我に返り、

 

「きっと…ここに長く居すぎてしまったんだな。バカな奴らに囲まれて…3年も暮らしたせいだ。俺達はガキで…何一つ知らなかったんだよ。こんな奴らがいるなんて知らずにいれば…俺は…こんな半端なクソ野郎にならずにすんだのに…」

 

 そして「責任を果たす」と腕を上げるライナーに、危機を察知したミカサ(エレンのセコム!)がライナーの腕を切り落とし、ベルトルトの首を斬ろうとしますが、ライナーに壁から落とされてしまいます。

 

 調査兵団が状況を理解したのと同じタイミングで、ライナーとベルトルトが巨人化。エレンはライナー、鎧の巨人につかまってしまいます。

 

 ラスト。ライナーとベルトルトと一緒に仲良く話していた訓練兵時代の回想と、エレンの涙。そして「この裏切り者が」という叫びが痛ましい。これで今回のお話は終わりでした。

 

 エレンがライナーのことをかなり信頼していたのは、今までの言葉のふしぶしで感じられていたため、ラストのエレンの怒りと悲しみを感じさせる涙にはとても胸を締め付けられる想いがしました。

 

 しかしそれ以上に、巨人化する前にライナーが、「もう俺には…何が正しいことなのかわからん」として、それでも「戦士としての責任を果たす」ことを告げた心境を思うと、とんでもなく辛い気持になりますね。

 

 いわば彼らは工作員のようなもの。まだ15、6歳の彼らが、同年代の壁内の若者と暮すなかで、どれほどエレンたち104期との間の関係を大切に思ってしまったのか。そして、それがいかに自分たちの立場からすれば罪深いものなのか。そして自分たちのなそうとする「正義」が壁内の彼らの「仲間」にとっての「悪」なのか。

 

 最近ようやく本誌で終わりを迎えたシガンシナ区での攻防の一連を見てから改めてここを読み返すと、本当にこの二人の辛い状況と「戦士」になっていく辛い様が見えてきてしんどいですね。

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