諌山創『進撃の巨人』3 ③

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第11話「応える」

今回のお話は進撃の巨人のなかでも特に素晴らしいシーンのある回だと私は思います。あのアルミンの名シーンがある回です☆

 

前話でエレンがミカサとアルミンを大砲から守ろうとしたところで、巨人が出現しましたが、それによって駐屯兵団はさらにパニックに陥ってしまいます。

 

そんなパニックを見て、エレンは壁の外へ逃げると二人に話します。自分が逃げれば、二人は攻撃されずにすむ、と。ミカサはもちろんついて行こうとしますが、エレンは拒否。アルミンは自分も行きたいと思うものの、自分の立体機動の技術などを顧みて、一緒に脱出はエレンの足手まといになり、非現実的だという判断をします。

 

この段階のアルミンの状況判断と感情のありようを見ていると、生来の賢明さによって導きだれる判断と、彼自身の感情が乖離して、その狭間で悩んでいるようなイメージがありますね。その乖離の要因は、アルミン自身の自分への過小評価と、覚悟のなさでしょうか。

 

「自分は足手まといだ」と過小評価し、考えることが止まってしまったアルミン。そんなアルミンに対し、エレンは「壁の外に逃げる」という判断はひとつの方法で、他の方法がアルミンが持っているなら、それに従うと最終的にアルミンに判断をゆだねます。

 

ミカサもそれに同意。二人は、5年前のウォールマリア陥落時から、アルミンは自分たちにはできない情況に応じた「正しい判断」を下すことができるのだと信じていたのです。

 

「お前ってやばい時ほどどの行動が正解か当てることができるだろ?それに頼りたいと思ったからだ」

 

エレンのこの判断に、信頼に、とても胸打たれた!初めて主人公に良さを感じた!笑

 

それを聞いて思い直すアルミン。この世で最も信頼している二人が自分を信じている。それが何よりの説得力だと。彼が過小評価を乗り越えられたのは、二人の信頼故。でも、それも普通の人間なら「またまたそんなこと言って」とか思っちゃうもの。それでもここで「正しい判断」として、誤った自己評価をただせるところがアルミンのすごいところだと思います。

 

次の瞬間、立体起動装置をはずし、「説得」のために駐屯兵団へと向かうアルミン。

エレンが巨人に捕食対象と見なされていたことを言い、それ故に人類の敵ではないことを述べます。しかし恐怖のために考えることを放棄した指揮官は迎撃態勢の命令を下してしまいます。

 

ここでの、アルミンの決死の判断と演説がすごい。

 

「私はとうに人類復興の為なら心臓を捧げると誓った兵士!!その信念の末に命が果てるのなら本望!!」

 

そして続けられた言葉がとても悲しくて、とても力強い。

 

「人類の栄光を願い!!これから死に行くせめてもの間に!!彼の戦術価値を説きます!!」

 

この演説に動いたのが、駐屯兵団司令ピクシス。

 

彼が現れ、アルミンの話を聞くことを良しとして、今回は終わり。

 

 

今回は三人の絆と信頼の深さ、そしてアルミンたち兵士の心臓の在処にこの世界の厳しさを思い知った回でした。。。「これから死に行くせめてもの間」そんなささやかな間の人生しかないと思う十五歳の少年兵。そして、その少年兵が親友の「戦術」としての「価値」を説くという悲しさ。

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