漆原友紀『蟲師』9 ⑤

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さて、前回薬を渡してからしばらく後。これは、、、一年後?数ヶ月後?くらいですよね。

 

ギンコの思惑通り、少年は薬を飲み始めてから体温が通常の温度までもどり、一見すると特異な点は見られなくなりました。そのおかげで友人もでき、少しずつ村人と溶け込んでいきます。ただ、母親曰くは雨の日などはとても水を欲するようなそぶりをみせると。もっと薬を、と思う母でしたが、ギンコ曰くはこれが限界だと。これ以上影響を少なくすることはできないと言うギンコに、母親は落胆します。

 

そんな折、大雨が降り、ふいに少年が水を欲して大雨のなか外に飛び出してしまいます。ギンコはそんな彼の様子を見て、彼のなかにいる蟲が水へ帰ろうとしていると察知して、今なら少年と蟲を分離させることが出来るかもと母親と三人で増水した川で一晩を迎えます。その甲斐あってか、朝になり雨が止んだとき、少年はずっと感じていた喉の渇きがなくなったのです。やったーと喜ぶ三人。

でも、その喜びもつかの間。突然高熱にうかされる少年。ギンコは必死に家へ戻ろうと少年を背負いますが、どんどんあつくなる少年。母親が抱き留めると、その瞬間に少年は着物だけを残してまるで水のように蒸発して消えてしまったのです。

 

衝撃的な展開に驚きが隠せませんでした。ギンコも驚きすぎて言葉が出てなかった。これが寿命だったのだろうと後々語るギンコ。少年がどこにいったのか、と問うてくる母親に対して、雨や川、海、雲。すべてに彼はあるんだとギンコは言います。だから、彼が生きていたことを忘れないでくれと。

 

ギンコが去った後、母親がひとりたたずむ姿が単なる悲壮感のみに包まれただけじゃない、どこか悲しくも優しい姿であったように感じました。

 

全然救いのない、とても悲しい話でしたが、それだけじゃない。母の気持ちを想像すればとてもつらいけど、その絆の暖かさにじんわりとした話でした。

 

アニメでは雷の物語の前に放送されたので、その対比がとても印象的でした。

 

 

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