漆原友紀『蟲師』9 ③

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「壺天の星」

『銀魂』45巻、傾城逆転篇の感想がひと段落したところで、また『蟲師』に帰ってきました。蟲師も10巻までのお話だし、最後まで感想かけたらいいな。全部中途半端だからな。。。

 

さて、今回のお話は蟲師のなかでも断トツに「不思議」な印象をもったお話でした。相変わらずギンコさんは第三者。途中まで出てきません。銀魂とか見てたら特に、この『蟲師』の物語の紡がれ方がステキだなとしみじみします。少年ジャンプとはまた全く違ったコミックですよね。

 

さて、今回は最初、真っ暗な世界のなかにある大きな屋敷に一人で暮らすという少女の語りから始まります。

 

彼女のいる屋敷には誰もいないけれども、ごはんが出てきたり、人形が隠されていたり、お菓子が出てきたりと、まるで誰かがいるかのように彼女の生活を助け、一緒に遊んでくれます。彼女は「そういうものなのだ」と受け入れて、そのなかで何不自由なく過ごしている様子。

 

しかし、誰もいない屋敷の入口から突然男の声がする。そこから現れたのは、まさにわれらがギンコさん!少女は驚き隠れますが、ギンコはその少女の名を呼び、屋敷の中を歩き回りますが、不意に足元から消えていなくなってしまいます。

 

実は少女は四人家族のうちの末っ子の女の子だった様子。突然姿を消して行方不明になってしまったという少女の母と姉が、藁をもすがる思いで蟲師に助けを求めたのでした。

 

ギンコは井戸のなかに彼女はいる、と踏んで、彼女がいる世界へと同調することで彼女と接触し、記憶をよみがえらせて帰らせようと試みます。どうやら相も変わらず蟲の仕業のようで、少女は井戸の底にいたキラキラと光る蟲の光に惹かれてその世界、蟲の住む世界へとやってきて記憶をなくしてしまった様子。

 

ただ、ギンコ自身もあまり長いすると危険だということで、最悪は無理やりひきはがすため、母と姉にもその時は助力してもらえるよう伝えて、再び井戸の底の世界へと同調します。

 

少女がひとりでいる世界は夜の底のような真っ暗な世界。そこでは丸い月だけが浮かんで明かりを投げかけている。そこにギンコが再び現れますが、なかなかうまくはいかない。なので、屋敷の庭で火を焚くことにします。実際の屋敷の庭でも、同じように火がたかれていて、それを見守る二人の家族。

 

火がたかれたのは、少女とギンコがいる場所を家族に知らせ、両者の世界をつなぐため。月だと思って見上げていたのは、井戸の入口。母と姉が煙をたどって、少女の名を呼んで。

 

そして彼女はもといた場所に戻って来れました。

 

なんだか不思議な物語。

 

どうやら井戸の底には光脈のわずかな光が見えていた様子。ギンコ曰く、光脈はずれてきているので、いずれその光は見えなくなるし、少女が気を付ければ引き寄せられることもないだろうと。念のため、父親は井戸をふさぎます。そして、「井戸の神様が苦しくないように」と竹筒を差して空気穴を作ります。

 

夜。少女が見たのはその竹筒から漏れて浮かび上がる光の粒。

 

それは現か幻か。不思議な。まるで老人から寝物語に聞く昔の不思議話のような物語でした。

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