漆原友紀『蟲師』8 ⑪

51lsMUMP1EL._SX347_BO1,204,203,200_[1]

みかげさんの墓参りに行った陽吉さん。その帰り。影を見つけます。誰も人間がいないにもかかわらず、少女の形をした影だけ地に伸びている。

それを見て、陽吉さんはハッと気づきます。「アカネだ」と。彼女は誰に影を踏まれることもなく、一人でずっとそうしていたのだと。優しい子だったから、誰の影も踏めなかったんだな、と。

ここでの陽吉さんの行動に涙が出ました。

アカネちゃんの影に謝罪したのです。アカネをそういう風にしてしまった人と自分は夫婦になってしまったと。それで幸せになってしまったと。そしてアカネに戻ってこいと言います。自分の影を踏んで、戻ってこいと。

しかしアカネの影は陽吉さんに背を向けて山へと帰ろうとします。それを追いかけて、陽吉さんが影を踏んで場面は暗転。

 

暗い山道。一人のおばあさんが山を急ぎ足で降りるなか、一人の少女の姿を見つけます。その顔を見て「アカネちゃん……!?」と呼ぶおばあさん。幼いころの友人が、いなくなったそのままの姿でそこに。

アカネが戻り、陽吉さんが消えたのだと想像できる終わり方でこのお話は終わり。

 

とってもコミカルな話でしたが、すごく深いお話だったように思います。犠牲の上に成り立った幸せ。犠牲がなければ成り立たなかった幸せ。それを大切にしながらも、犠牲にしたことを「仕方ない」と諦めるでなく、罪を負おうとした夫婦に感動しました。

 

きっと、陽吉さんは誰の影も踏まないでしょうね。

それを老夫婦の贖罪の結末としてとるか、アカネちゃんへの救済ととるかという見方もあるな、と思いました。

 

みかげさんと同じように死ぬことが叶わなくても、それでもきっとずっと蟲として影として。切なくも、愛情にあふれた物語でした。

 

感動しすぎて三回に分けてしまった。。。。笑

 

次回から蟲師は九巻。十巻までなので、もう少しで終わりますね。

コメントを残す

コメントを投稿するにはログインしてください。

サブコンテンツ

このページの先頭へ