さべちん / SABE

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快楽天が生んだもう一人の異才、ブル漫画家SABEの追悼作品集。2009年1月に急逝した作者を偲んで、同年9月に上梓された。

パッと見えがきれいで女の子にも好かれそうだけど、中身は全くそんなことはない。ブルマへの偏愛はもちろんのこと、グロ、スカトロ、動物虐待・・・と、男でもヌけるのは上級者のみであろう。

アダルトカテゴリの本でありながらヌくためには使えないこの分厚い本。ファンとしては作者の作品の中では異色な子育て日記「ゆらさん日記」を始め、同人誌作品も含む未発表作が多く収録されていることが魅力でしょう。世間をバカにしたような印象の強い作者の素の普通の人らしさが表れているというか。そういう資質もあるからこその独特の味のある変態せいなんだよなあと、知っている人なら妙に納得させられてしまう感があります。

クソがつくほどゲスな内容のものがほとんどなんだけど、どこか達観を感じさせるというか…。個人的には作者の、否定も肯定も正義も悪もないけどあるけどない、ただ俺はこれが好きでこれはでえっ嫌えなんだよぉ~! と開き直ったような管をまいているような、情けないがゆえに最強ともいえる攻撃性が好き。それは全ての作品に共通している作者の人生のテーマのようなものなんじゃないでしょーか。彼がサブカル的に随所に挿入する時代劇ネタは動物ネタにもそれは無関係ではないような気がしますよ。

その後、一般誌に活動の場を広げたことからもわかるように、エロ漫画に収まる器じゃなかったんだろーなーと思います。発表時期も掲載誌もバラバラのこの短編集(とはいえ4コマ形式がほとんどですが)は、だからこそSABEという類稀なる異才の人間性が垣間見えまくっています。というか、表面もチラ見えも、ぜーんぶ含めて渾然一体となってSABEという作家なんだなあと改めて感じられる1冊。

とはいえこれから読んでも初心者には何が何やらなので、「世界の孫」(アフタヌーン所載)から手を付けて、気に入ったらこっちに手を伸ばしてみることをお勧めします。

しかし惜しい人を亡くしたものです。

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