漆原友紀『蟲師』8 ⑤

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「隠り江」

今回のお話は始まりは好きだけれども、実はあんまり印象に残っていない。。。笑

 

カイロギという蟲に寄生されて、あちら側へと行きかけていた娘を見つけて、ギンコが処置するお話。

身体の弱い少女にとってとても大事な唯一の友人であった使用人の娘。その二人の心の通じ合いが暖かいお話でした。

 

少女と娘はお互いに思い合う、大切な友人同士であったけれども、少女があまりに娘に依存し、それ以外を求めなくなってしまった。それをあまり良い傾向としてとらえなかった父親が娘を暇に出して、つまり解雇して二人の仲を離す。

 

そうすることで、少女は落ち込んで、そのときにたまたま寄生したカイロギをつたって、意識を娘のもとに飛ばして会話するようになったということですね。

 

娘は少女の身体と心のことを思って、いったん冷たくあしらいますが、そうすることで少女が初めて誰の力も借りずに彼女のもとへと行こうとするんですね。

 

娘の家へと繋がる水路を伝ってひとりで舟を漕いで行く少女は、途中で倒れて、集落の人たちにとっても迷惑をかけてしまいます。結局、その騒動のおかげで彼女は慕う友人のもとへと訪れることが出来、二人の間のわだかまりもとけるので結果オーライで終わります。

 

少女の父親はもうこんなことはやめろ、と彼女を戒めますが、ギンコは会いたくなれば蟲をつかわず、直接こうして会いにくればいい、と言います。しんどくなれば、集落の誰かの手を借りればいい、と。

 

たった一人で背負い込むことなく、共に同じ場所に住む人々の力を借りて、生きていく。そんなことをあっさりと提唱するギンコ。これを「迷惑じゃないかしら」と最初から遠慮してしまうことはないんですよね。

 

ラスト。少女が娘の家へ遊びに行く際、「もうすぐつくよ」と蟲をつかって意識を飛ばして、娘に少したしなめられるシーンで終わるところが印象的でした。蟲師の世界観らしい、蟲を全て排除するのではない終わり方。

 

しかし、今回最も印象的だったのはやはり物語やギンコではなくて、その水路に囲まれた集落の情景でしたね。こんな場所、今でも残っているのでしょうか。実際にあったらとってもキレイだろうなあ。

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