漆原友紀『蟲師』7 ②

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さて前回の続き行きますよっ!

 

男の方は、そんな非人道的なことはしないと反論。何代も前から泡のことを見てきて研究してきた結果が薬で、調合は適切だと言い張ります。

さほに関しても、彼女の出生自体が特殊なのだと。

彼曰く、さほは曾祖父の代に拾われた赤子であったという。木の泡をすすったためか、拾った頃には人の乳は飲まず、木の泡しか食べることができなかった。そしてそんなさほは成長がとてつもなく遅かった。曾祖父が死んだ頃には、まだ十ほどの子供の姿であったという。そのころには、さほの感覚のほとんどは死んでしまっていた。

それから、彼の代になるまで、桜の大木を守るのと同じように、彼らはさほを守ってきたのだと。

 

話を聞いて驚愕するギンコ。蟲ののぞけば、彼女の感覚も取り戻せるかも、と提案するものの、それだけ長生きしていれば、蟲をのぞいた後に彼女の寿命が残っているかどうかはわからない、と述べます。男はなら仕方がないと、警戒するギンコに代々家に伝わる泡とさほの記述を見るように勧めます。

 

そして彼の家に伝わる書物を一人読み進めるギンコ。何やら書物がやけに古いことに違和感を覚えながら、読んでいて……。その事実に気づきます。

 

一方、そんなギンコを放置して、男は薬を買いに来た娘に、「君も飲んでくれ」とその薬を飲ませようとします。男の言うまま、薬を飲んだ娘は眠ってしまいます。彼が飲ませたのは、睡眠薬。

 

眠るさほの隣に、娘を並べて、彼はおのを片手に娘に謝ります。さほを生かすためだから仕方がないと。

 

なんじゃこりゃーというところで、ギンコがヒーローよろしく「やめろ」と部屋に入ってきます。ギンコが気づいた事実とは、さほが彼の曾祖父の代どころではなく数百年前に生まれた人間だという事。そして彼女の体が限界を迎えると、若い娘の首から下の体を、まるで接ぎ木するようにさほに取り付けて、彼女を生かし続けてきたのだと。

 

それなんてホラーだ!?という事実に、斧を持ってギンコにも向かう男。ヒーローマンガであれば、ギンコの腕っぷしは強い設定になっているのでここで戦闘シーンになるのですが、これは『蟲師』!!ギンコは喧嘩はしませんよ!笑

行燈の火を倒して火を布団に写し、男がひるみ、さほを助けようとする隙に、娘を連れて外に出ます。

 

火は思いのほか勢いよく屋敷に回り、屋敷どころではなく桜の大木にも火がまわっていきます。桜が燃えるなか、桜にとりついていた蟲が泡とともに空中へ分解していくとともに、さほの体のなかにあった泡も空中へと漏れていきます。

 

男が必死に「行かないでくれ」と叫ぶも、彼女の体が朽ち果てていくさまは恐ろしさと寂しさとが混じったような、なんとも言えないシーンでした。

 

その後は、ギンコの独白で終わります。その里で男と女の姿を見る者はなかったのだそう。桜だけは、焼けたあとも花を咲かせて、旅人達の心を癒していました。

 

まったく会話もすることのなかったさほ。何度かつぶやいた言葉が、彼女を拾って育てた男の名前だったのは、やはり彼女は男と男の親族が思っていたのとは反して、早く死にたかったのかもしれません。

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