漆原友紀『蟲師』4 ①

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「虚繭取り」

『蟲師』第四巻。巻を増すごとに絵が綺麗になっていき、物語の雰囲気も独特の世界観を構築していく。そんな気がします。ほんとすごいなあ。とっても素敵。

 

さて第四巻の一話目は「虚繭取り」。蟲ってとっても怖いけど、とっても便利でもあるんだよ。でも怖いよね。って思った。めっちゃウロさん面白くて便利ですげえって思ったけど、めっちゃ怖かった、ウロさん。

 

ギンコっていつも「文をここに」とかいう割に、ずっと放浪してるし、どこで文を回収してるんだろう。家みたいなのが一応あるのかな?とか思ってたんですが、その謎が解けましたね!

 

うろちょろする蟲師が使うメール的なもの!それはウロさん!繭に住むウロさんが蟲師に文を届けていたんですね。。。繭が古くなってきたら、文がちぎれてたり、誰かのものが間違えて入っていたりする、と。ギンコのそれも古くなってきたと。ギンコのウロさんに届いたのは、「綺」という女性からの千切れた文。

 

ウロさんの交換にその「綺」という女性を訪ねるギンコ。女性というか、まだ少女のようです。山奥に一人で住み、虚繭を作り続け、蟲師あてに届いた文を、それぞれの蟲師の持つ「壱」の繭に入れるという大変重要なお仕事をなさっている様子。

 

彼女が1人なのは、わけがあったんですね。一族に代々伝わるそのウロさんの姿を見る能力者が、そんなに多く生まれるわけじゃないということ。彼女はその能力者として久々に生まれたんですね。そして先代のおじいさんのもとで十歳の頃から修行?をしていたと。しかし最初は彼女も一人ではなかった。双子の姉がいたんですね。イト、というお姉さん。

 

しかしほんの少しのことで、彼女はウロさんに取り込まれ、ウロさんが行き来する巨大で無限な「洞」へと行ってしまった。それから五年。綺はイトにずっとウロさん経由で手紙を送り続け、探していたんですね。

それがギンコのところへ間違って届いたと。ギンコはもうあきらめろと綺に言います。「俺も探すよ」とかじゃないあたり、ギンコらしい。蟲師らしい。諦めさせるために大ウロへと綺を連れて行くあたり、さすがギンコ。優しいのかお節介なのかよくわかんないけど、あっさり人の感情の弱いところに触れてくる。普通の人ならためらって、触れて来ない部分に手を伸ばすギンコだからこそ、人を救うことができるんでしょうね。同時に人を傷つけることも多いでしょう……。

泣いて泣いて諦めようとするけど、それでもどこかでずっとイトを探し続けてしまう綺。いなくなってしまった者にとらわれて飲みこまれようとしている綺は、見ていてつらい。ギンコのいうことは最も。でもつらい。

 

物語の最後。イトの消息が昔話風に語られて、脱力するくらいホッとしました。単純に綺の目の前に帰ってくるのではなく、こんな風に聞きづてのように語られるハッピーエンドが、まさに『蟲師』っぽいなと思いました。

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