蜷川ヤエコ『モノノ怪』海坊主 上 ③

81V2oymQ3cL[1]

さあ、今日は一気に第五幕から第七幕までの感想をば!これで上巻が終わりですよ。

 

第五幕から第七幕では、船幽霊を退けた後、皆でモノノ怪談義。その後、加世ちゃんの薬売りさんへの詰問。そして、海座頭の登場!

ここらへんが海坊主編で一番好きなシーンかも知れません。

 

第五幕。妖の海へと船を誘ったのは誰かと加世ちゃんが犯人捜し。もちろん化猫騒動以来、薬売りさんを心底信頼しているので、彼を疑うことはしなかったのですが……。

 

にやりと一笑。「次はどんなアヤカシが現れるのやら」となにやら現状を楽しんでいる薬売りさんに、さすがの加世ちゃんも彼に疑いの目を投じます。

 

しかし、加世ちゃんに「あんまり怖い顔してると嫁のもらい手がなくなる」って……。冗談言いそうにないのに、そんな俗っぽいことも言うから……!加世ちゃんの一瞬呆けた顔も頷けます。笑

 

その後の「どうだかね」と「そんなんじゃ女の子にもてない」という詰問する加世ちゃんとはぐらかす薬売りさんのやり取りは、和む。笑

 

それにしても、皆のモノノ怪談義にて薬売りさんが言った言葉。

「モノノ怪」が現れるのは、、、、

 

「何かが有り、何者かが何故にか、怒り恨んでいる」から。

 

なんとも、「モノノ怪」とは辛いモノですね。

 

しかし、加世ちゃんの疑問はもっともです。

 

果たして、薬売りさんはいったい誰の味方なのか。

 

 

第六幕、第七幕では海坊主編の隠れた主役、海座頭のご登場!

「お前が最も恐ろしいモノは何だ」と問いかける海坊主!最初は皆が恐怖を見せられないように、策を練って答える、というゲームの様相を呈していましたが……。

 

げんよーさいさんが答えたあたりから、これは何を言っても幻で恐怖を見せつけられる、海座頭の嫌がらせだと分かりましたね。笑

 

しかし、海座頭の役回りがただの嫌がらせではなかった、というのが分かるのはもう少し後。

 

三国屋さんが述べたように、心の内の恐怖を素直に言っては幻を見せられる。しかし佐々木さんのように自分で押し殺している恐怖に気づかず、「恐ろしいモノはない」と述べても、海座頭は心の底よりその恐怖を引きずり出し、見せてくる。

 

加世ちゃんのように、味わったことのないとってつけたような「恐ろしいモノ」でも、海座頭は巧みに一番大きいダメージを与えられるように幻を見せてくる。

 

……それにしても、取り乱した加世ちゃんを落ち着かせる薬売りさんが……美人です。爆笑

 

そして、げんよーさいさんの「まんじゅう怖い」(落語だな……)。どう転んでもプラスの方向にしか捉えられない「まんじゅう」も、恐怖へと転換させる海座頭。嫌がらせは用意周到。徹底しております。げんよーさいさんの作中での軽い立ち位置がなんか、可哀想。笑

 

そして薬売りさんの、男と女に対する、応対の違いが素晴らしい。笑

 

そして。「問うがいい」と海座頭に言う薬売りさん。美人なのに男前!さすが!

 

薬売りさんの最も恐ろしいこと。それは、

 

「この世の果てには形も真も理もない世界が、ただ存在しているということ……それを知るのが怖い」

 

初めて語る、彼の内。

 

え、わかりづらっ。笑

 

そして、幻のなかで消えていく彼の体。ここで第七幕終幕。次は下の巻です!

 

この薬売りさんの応答にも、少しまた考察したいもんですね。笑

また、海坊主も「解」が必要かも知れません。

コメントを残す

コメントを投稿するにはログインしてください。

サブコンテンツ

このページの先頭へ