槇えびし『天地明察』②

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『天地明察』第二幕。

まだ第二幕だというのに、とてつもなく面白くてドキドキする展開がめじろおしでした。

宮からの帰り、絵馬に答を書いた武士、「関」という人物を思いながら城へと出勤する春海(作中では安井算哲と渋川春海の二つの名前が出て来ますが、きっと彼の本質は春海なんでしょうし、春海とします)。駕籠かきの人たちに対する態度から、彼の暗算の速さと人柄の良さが描かれてて細かい演出がされています。絵馬に触れて、「関」という天才の影に触れて、「今日はこれでいい」と満足する春海ですが、これからがお仕事の始まり。まだまだ朝は始まったばかりのようです。

しかし、御勤めが始まっても、碁盤の上で算術道具を広げて難問の答への道筋を考えてしまいます。嬉しそうに解いていくなか、年下の本因坊道策にめっちゃ怒られてます。

道策は春海の態度に怒っているのではなく、碁の才能がありながら、算術にうつつを抜かすことが許せないようです。どうやら、道策は春海の碁の才能に憧れを抱いている様子。春海をして天才といわしめる少年は、自身の才能を試したいのでしょうか。熱い思いが一直線に春海に向っていますが、当の本人はほんとに動じない。全然通じない。さっぱり届いてない。

 

春海自身も不思議がっていますが、江戸時代の碁打ち衆といえば、僧形というのが普通だったように思いますが、春海は二刀を托され、武士身分になっているんですね。なんだか不思議です。春海自身が不思議がっているということは、やはり碁打ち衆として異質な身分なんですね。お城で春海という指導碁をしている酒井という老中が帯刀を命じたのか……。

何か裏があるようです。それが何か分からず、警戒する春海。そんな春海に酒井老中が声をかけることで、物語が急転します。

いつも定石通りの「つまらない」碁しか打たない酒井が、定石を外れた手を打ち「お主、お勤めで打つ御城碁は好みか?」と尋ねます。「逃ゲテモ取ラレル」ことを悟った春海。

昼行燈な雰囲気は消えて、勝負をうけます。そして、「嫌いではありません。しかし退屈です」。

安井の家に生まれ、安定した居場所が生まれながらに用意されていた春海。それは豊穣たる秋であり、「飽き」でもあった。彼が求めたのが、春の海辺に住まうための浜。

「憚りながら、退屈な勝負にはいささか飽き申しました」」

ここに、飄々としているにも拘わらず、安定の碁打ちとしての生活に満足できない春海の本質が出ました。この彼のなかにある勝負への貪欲な渇望が、彼を算術や暦へと向かわせているのかもしれません。

 

その後、やはり碁ではなく安藤との算術の話で盛り上がる春海は、ついに関という名の人物へ会いに行くことを決めて第二幕は終ります。

 

これはもう……、期待通りのワクワク感!!関さんが出て来るのが楽しみですね!!!

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