穂積『式の前日』②

mangazenkan_si-823[1]

『式の前日』二回目の感想です。今回も泣かせてきましたこのやろう。

「モノクロ兄弟」

恋ってなんなんだろう。と思わせる物語。もう恋なんて遠い出来事のような気がする、そんなお年頃な中年男性二名のお話です。

双子のおじさまたちと、そして幼馴染の女性との恋のお話。

その幼馴染の女性のお葬式の後、双子の片割れ――真面目そうな男の馴染みの店での会話から始まります。

双子の兄弟。腹を割って話すことなんてなさそうな双子のうえに、初恋の人が同じ。

双子も彼女も、全員片思いだったのでしょうね。それでも、死んでから真面目な方の男と彼女が連れ添うことができたと思うのもいいかもしれません。そこに、双子の片割れの初恋への感傷とたった一人の兄弟への愛情が入るから、この物語のラストは哀愁が漂いながらも爽やかなのかもしれません。

 

「夢見るかかし前編」

アメリカや。日本じゃない。真先に思ったことはそれです。笑

しかもちょっと田舎風。高度経済成長期くらい。日本で言えばバブルな頃の田舎って感じ。笑

かっこつけたイケメンで都会な兄が、田舎の妹の結婚式にあわせて帰ってきたお話です。二人はたったふたりきりの家族だったようですね。兄が擦れたのはその幼少期の、みじめな感情が影響しているのですね。大きくなって、もう別々の道を進んでいる二人の共通項は、「ママ」と妹が呼んでいたかかし。物語を読む限り、たったひとりの家族である妹を守ることで自分の存在を認めてきた兄は、妹が他の男に恋をして、自分を見失ったように見えます。そのまま田舎を出て、ニューヨークに行ってしまい、そして結婚式に戻ってくる。これは、兄の妹離れのお話なんでしょうか……。笑

前編を読み終って、そんな予感がしましたが……、さて、続きはいかなるものか。笑

それにしても、外国の雰囲気はどうして伝わって来るんでしょうね。一話目の「式の前日」との雰囲気の違いがとても出ていて、すてきです。

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